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「抱きしめながら」
「びっくりしちゃった」
昨日の留美とユウジくんのディープキスのことで留美からのメッセージが来た。

内容は。

ユウジくんとキスする直前、慌てていたので歯磨きができなかった。
咄嗟にバッグの中の口臭予防の清涼剤を口に入れてしまった。

ユウジくんとキスが始まってからは、その事を忘れてしまっていた。

ユウジくんのキスは、温かくて、ふんわりする感じで、とろけてしまって。
ユウジくんの舌は優しいのだけど、攻めてくる感じもあって、強引な感じもあって。

それで、唾液の味は良く判らなくて。
なんか味とか考えつかなくて。
ユウジくんのキスはずっとずっと、あたたかかった、と



ユウジくんとキスが終わって。
僕に送るための録画も止めて。
全部終わって、そのときやっと清涼剤の事を思い出した、と。

留美からユウジくんに話したら、実はユウジくんも同じ清涼剤を持ってて口に入れてから留美のところへ来たのだという。

その商品にいくつか味がある中で、ユウジくんは留美と同じ味がお気に入りなのだったと。
ユウジくんも忘れていたけど、もしかしたら味も同じだったから、たくさんキスができたかもね、とふたりで笑った、と。



なんだかモヤモヤが頭の中に増えて色々聞き返したかったけど。
昨晩気になって寝られなかった事を訊いてみた。

最後に留美がガクッとなったのは、なぜ? と。

少し間があって。
留美の返事は。

「気持ち良かったからだよ」



◆ ◆ ◆



理系の大学の授業の教科書は、だいたいは教授の書いた本を買わされて決められたページの部分を集中的に勉強させられる。
予習復習とか該当部分の事前の知識を頑張って知っておかないと、授業中に何をやっているのかすぐに判らなくなる。

課題も多い。授業が終わったからと言って、帰宅して怠けたら授業についていけなくなってしまう。

単位が取れないのは絶対に困る。
勉強が得意ではない僕は課題をやり終えるまでは、日々、学内の自習室で過ごす事にしていた。



そして。

自習室に居た時。
留美から、ユウジくんと行為をするライブ通話のコールが来た。

すぐに席を離れて廊下でコールに出る。
また録画で送って欲しいと話して、すぐに切った。

留美も僕の事情は解っている。
「一緒に頑張ろうね」
留美が言ってくれた。

勉強が大変なのは勿論だけど。

今から留美がユウジくんとベロキスをまた始める。
それを考えながらの自習がはかどるわけがないことも、理解している。



今、留美がヤられている。動画を部屋に帰れば観られる。課題を終えなければ単位が取れない。

混乱する頭の中。進まない課題。
ひどい時間だけが過ぎた。



◆ ◆ ◆



すっかり遅くなって。帰り道。
留美からきた動画をアップした連絡のメッセージに一言沿えてあった。
「ちょっと声、出すぎちゃったかも」



帰宅して、全裸になって。
全てを放り出して動画をダウンロードして再生した。



前回と同じ、留美の実家のマンション宅の玄関だった。

冒頭の説明だと、今日も留美のお母さんもユウジくんのお母さんも出かけているので、少しだけ、あまり時間はないけど少しだけ時間があると言う。

スマホのカメラは2人の腰のあたりから上が映っている。
前回より玄関全体が見える感じにユウジくんがスマホをセットしてくれたようだった。

ユウジくんも留美も私服で。
ユウジくんはスウェットの上下っぽかった。パジャマみたいな。
留美は白のブラウスにパンツスーツっぽい感じだった。
ふたりともラフな格好だった。

互いに今日は歯磨きしてきました、と笑って話している。



今日はなにをするのか、と観ていたら。
留美が僕に向かって言った。
「今日は、ハグしながら、キスをします」



留美とユウジくん。
ふたりの関係が進展する内容はふたりで決められて。
最初にふたりが決めたルールは、新しいことはひとつづつやってみたい、だった。

キスをして。
ディープキスをして。
ふたりが今日追加したのは「相手を抱きしめて良い」だった。



留美が覚悟を決めたようにユウジくんを見上げて言った。
「……はじめます」

留美の顔はもう赤い。

ユウジくんは優しいほほえみで留美をみて。

それを見た留美の口元が少し緩んで。

ふたりの両腕が互いの背に回り込むように動き。

抱きしめて身体が密着し。

目を閉じた留美とユウジくんのキスが始まった。



◆ ◆ ◆



ユウジくんは留美の腰にあてた手に力を入れて、留美を自分にグッと引き寄せた。

留美はユウジくんに、引っ張られるような、折り曲げられるような姿勢になって。
ユウジくんに覆い被さられて。

深く深く、キスされた。

「んんん……んっ…んァ」
留美の声が聞こえる。

留美とユウジくん。
ふたりのキスはすぐに激しくなった。

「ん……ンン……ウン……!」
ユウジくんの唾液が留美の口に入る。
留美の舌もユウジくんの舌に絡んでべろべろに。

「…ハッ……アン……ンンン!」
ユウジくんががっしり留美を抱きしめていて。
留美は折り曲げられるように。
息をつくこともできないようにキスされて。

でも。抵抗することはなく。
ユウジくんのかぶせてくる強引なキスをすべて受け入れていた。

ちゅぷっ……ちゅぷっ。

じゅぶ……じゅぶ。

口を合わせて舌を入れ。
目を開けて。
はにかんで。
目を閉じて。抱きしめて。
「ん……」
留美がまたユウジくんとキス。
ふたりが互いに舌を動かすたびに、唾液の混ざり合う音が聞こえた。



ユウジくんに抱きしめられて身動きが取れなかった留美の両手は。
だんだんとユウジくんの首筋に這っていき。
撫でるように留美の手がユウジくんの顔を捕まえた。

留美はユウジくんと見つめ合って。

そのまま深く。
留美から。
ユウジくんに顔を寄せて。

「ンん……ム……ンッ……ンンン……」
留美が吸いつくように激しくユウジくんのキスを求めていった。



留美の求めに応じるユウジくん。
留美の手の動きに合わせて顔を傾け、深く深くベロキスを交わす。
唾液を与える。

今度は、ユウジくんが留美の舌を引っ張り出して。深く深く、たっぷりと、キス。
「ンンンーーッ……ん……ン……」
なされるがままの留美。

留美も再びユウジくんの舌を求めて吸いついていく。
何度も何度も。
「んあ……ん……んんん」
ちゅっぱちゅっぱと音が響く。



ユウジくんの両手が留美の背中を這い回り始めた。
さらに抱き寄せて、ブラウスをもみくちゃにし始めた。
ブラは見えないけど、ブラをいじってはいない。
ユウジくんの手で留美のブラウスがくちゃくちゃにされ、裾から留美の白い綺麗な肌が見えた。
「ンぁっ……んん」
留美の喘ぎ声。
密着する限界まで留美の身体が抱きしめられて。
「んん……アンッ……」
留美はユウジくんの身体に全部覆われてしまうように抱きしめられていた。



留美の両手はまたユウジくんの背中を抱きしめて。
ユウジくんに自分を預けているような。
大きな背中をしっかりと抱えていた。



留美はもみくちゃに抱きしめられて。
ベロベロにキスされて。
抱きしめ合ってキスされて。
キスされて。
「んぁ……」
ユウジくんが動くたびに、大きくなる留美の声。



不意に留美が。
「もっと……」



ユウジくんがガバッと、自分の身体の位置と留美の位置を入れ替えた。

玄関の扉を背に留美を立たせるようにして、抱きしめ。押さえつけた。

「やっ……!」
扉を背にして留美は身動きが取れない。
玄関とユウジくんに挟まれた留美がユウジくんの顔をぽーっと見つめクチをあける。

ユウジくんは。
サッカーボールを両手で持つように。
留美の顔を両手でガシっと押さえつけた。



そのまま留美の顔を引き寄せて。
留美のクチに吸いついた。
「ンンーーーッッ!」
留美が喘いだ。



喘ぎながらも。留美は。
留美の手はユウジくんの背中に抱きつき。
激しいキスを浴びせてくるユウジくんを受け入れた。

ユウジくんはがむしゃらに留美の口を吸っていた。

留美を味わって。
留美の唾液を飲んで。
留美の匂いを嗅いで。
留美の熱さを感じて。
見つめ合って。
唾液を飲ませて。
舌をすりあわせて。
留美に。抱きしめさせて。


「ンンッ! ンーッ! んんんん!!」

ユウジくんが止まらない。
留美が塞がれた口で声を出してもユウジくんは止めなかった。

留美の顔を押さえつけたユウジくんの手は、留美の髪の毛に紛れ込み。
留美の髪をもみくちゃにしながら覆い被さってキスを続けた。

「ん……んんん! ァ……ン! ンンーッ!」

留美の両手も、なんとかユウジくんの首の後ろを抱え。
留美とユウジくんは互いに顔を寄せ合ってベロキスを続けた。
互いを求め合うキスが続いた。



僕の頭には留美の喘ぎ声だけが響く。

「ンァ……あん……あ……んっ!」
留美とユウジくんが抱き合っている。
抱き合ってキスしている。


互いを求めて、密着して。
背中を撫でて。
「ンン……ン……」
首を撫でて。
髪をかきむしって。
「……アッ…! …ハァ…ッ」

キスを。
「んむっ……ん! ん!」
ベロキスを。
唾液を混ぜて。
「ハァ……ンン!」

わずかな時間も離れたくない。
「ンーーーッ!」
密着してキスしていたい。
留美とユウジくんが。
「ん! ん! ……んッ!」
舌と舌を合わせていたい。
唾液を舐めたい。
「んぁ……あ……ア」
温かく密着したい。
抱きしめたい。



「ンァっ……んっ……」
とても甘い留美の喘ぎ声が聞こえて。
留美の目に光る涙が見えた時。
「………ンンーーーッ!!」



留美の身体がガクガクっと震えて、ユウジくんに強く強く抱きしめられた。



トロンと脱力した留美をユウジくんが抱え。
留美がユウジくんの顔を見上げて、またクチを開き始めた時。





ユウジくんのスマホのバイブがブーンと震えた。



◆ ◆ ◆




留美が一瞬ビクッとなって。
「……もう……5分……?」
ボンヤリした表情で言った。

そうだね、とユウジくんが返した。

留美とユウジくんは見つめ合い。
パクッと舌を絡めて深いキスを最後に交わし。
互いの身体から離れた。

留美とユウジくんの唇の間には。
舌から舌へ互いのよだれがツーッと糸を引いていた。


ペロッと舌なめずりをして唇を舐め。
留美がカメラを向いて僕に説明した。

キスを始める前に。
今日はふたりのお母さんが帰ってくる危険があるので、最初からキスは五分間だけと決めていたと。

呼吸が荒く乱れた息で言いながら、ハンカチを出して口の周りのよだれを拭く留美。
顔は真っ赤に真っ赤に火照っていた。
フラフラする留美をユウジくんが支えた。



留美が小さな声でつぶやいた。
「凄すぎ……」



留美はユウジくんに支えられながら、説明を続けようとした。



「次のとき……だけど」
留美がまだ整っていない息で話した。

「ユウジくんと、玄関だけでできること……、考えたんだけど」

肩を揺らしながら、つづけて言った。



「わたしの首、とか……舐めてもらったら、いいかなって……」



僕の心臓がバクバク脈打ち始めた。
身体が揺れて、熱くなった。

握っていたチンコは充血した。



舐める。
舐める?
ユウジくんが留美を舐める。
玄関で舐める?
抱きながらキスして舐める?
舐める?

一瞬で、顔も首もベロンベロンに舐めまわされて、よだれまみれになる留美の姿が浮かんだ。
抱きしめられて、顔をつかまれて、舌で顔中をべろべろに舐められて。
口も吸われて、唾液べっちょりで、あえぐ留美をさらに抱きしめて。
首を舌がべろべろに這って舐めて舐めまくって、留美が唾液まみれでべちょべちょで。



「いいよね」
留美は真っ赤な顔のまま、笑顔になって、僕に語りかけてくれた気がして。



「今日、おしまい。またね」
留美が言った。



ふらつく留美をしっかり立たせながらユウジくんが。
「留美お姉ちゃん、首ってドコまでが首?」
と、ちょっとだけイタズラっぽく質問した。

抱かれて支えられて。
ふわふわと泳いでいた留美の目がユウジくんの顔をじっと見つめて。

そのイタズラな質問の意味を理解した顔で。
唾を飲み込んで、留美が答えた。
「鎖骨までに、しよ……」



声が小さくなって

「……そこから下は、絶対ヤバいから……」




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